ヴィンテージディオールのブローチです。

裏側のサインは「CHRISTIAN DIOR BY MITCHEL MAER」。
1950年代の限られた数年間、Diorのジュエリーを
製作していた MITCHEL MAER の作品は、希少性とデザイン、
技術力の高さが世界中で評価を集めています。

モチーフはブルーグレーの矢筒と五本の矢。
キューピッドと関連付けられロマンティックな意味合いを
持つことからでしょうか、西洋では馴染みが深く
様々なアローモチーフジュエリーを見かけます。

とはいえ矢筒と、そこに収まる矢をこれほど細やかに
描き出した作品はけして多くはありません。

矢筒の口は丸く開き、別パーツとして製作した矢が
その口を貫通して裏側で留め付けられています。

視覚的に「そう見せている」のではなく、実際に
「通っている」ことは、僅か数センチのジュエリーに
驚くほどの立体感と写実性、ひいては全体の出来栄えにも
大きな影響を与えるものなのです。

メタルそのものにも重厚感があり、筒部分の装飾や
輝く大小ラインストーンの使い分け、配置も凝っています。
落ち着いたエナメルの色もまた上品な印象です。

メタル、ストーンのくすみや少々のエナメルの剥げもまた、
ヴィンテージ特有の味わいとして趣を添えています。

"CHRISTIAN DIOR BY MITCHEL MAER"のサイン。

年代　　1950年代
サイズ　約8.3cm×2.8cm

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