天然真珠を使用したリングです。
20世紀初頭、フランス製と推測されます。
このリングがつくられた時代は、真珠の歴史において
転換期ともいえる時期でした。
養殖真珠が本格的に市場に出始め、それまでの天然真珠に
取って代わろうとする過渡期にあたります。
長い年月をかけ形成される貴重な天然の真珠が、更なる
希少性を備えるまさにその時なのです。
珠の直径は約6ミリ、色は上品なホワイトカラーです。
指先で柔らかく押したような少々歪みのある形に、
自然に育まれた天然真珠ならではの温かみを感じます。
デザインは十石のオールドヨーロピアンカット、または
それに近いカットのダイヤモンドが中央の一粒を
お花のように取り巻くクラスターモチーフです。
けして珍しい配置ではないかもしれませんが、二種の
大きさ、艶と輝きの対比やバランスなど、いかに全体が
美しく見えるかがとてもよく考えられています。
その配慮は地金部分にも及び、真珠とダイヤモンドの
白さが一層映えるホワイトゴールドを合わせ、台座部分にも
エレガントな雰囲気にぴったりの透かし模様が
施されています。
養殖真珠が主流となった現代では、天然の真珠を手にする
機会は大変少なくなっています。
魅力的な装飾品としてはもちろん、アンティーク
ジュエリー史を構成する重要な一ピースとしての
収集価値も高い作品です。
天然真珠の鑑別書有り。
フランスのゴールドを示す鷲の刻印が確認できます。
年代 1920年〜1930年頃
国 フランス
素材 天然パール ダイヤモンド 18金
サイズ 14号
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