十九世紀後期フランス製、古くからスコットランド等で
着用された装身具を模したと思われるブローチです。
五十七石のダイヤモンドを、輝きを引き立てるシルバーの
地金にセット。
厚みのあるローズカットダイヤモンドが最小限の間隔で
ぎっしりと並べられ、強い煌めきを放っています。
二石のサファイアは、相性の良いゴールドを用いて
セッティングしています。
表面は鮮やかな青色と艶を引き出すつるんとした
カボションカット、裏側には複数の平らなカット面を
設け、反射光による複雑な表情を演出します。
反対側に飾られた大粒のパールもまた滑らかな
光沢を帯び、サファイア同様気品あふれる存在感です。
各宝石の美しさもさることながら、地金部分のデザイン、
つくりにおいても多くの優れた点が見られます。
環状のモチーフにくるりと巻き付くリボンは独立した
四つのパーツから成り、その一つずつを裏側から
ネジのような金具で留めるという大変凝ったものです。
立体的に表現したモチーフの先端ぎりぎりまで、
見逃してしまうほど小さなダイヤモンドをセットしている
ことにも驚かされます。
シルバーの地金裏には薄くゴールドを合わせ、石裏も
一つ一つ整った形状で窓が開けられています。
ブローチピン先のカバーも、衣服、あるいは着用者の
指先を保護することを考えてのことでしょう。
あらゆる面において、非常に完成度の高い作品です。
フランス製を示す鷲の頭の刻印があります。
年代 1800年代後期
国 フランス
素材 サファイア ダイヤモンド パール 18金 シルバー
サイズ 約3.2cm×2.2cm
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