20世紀初頭、イギリス製と推測されるペンダントです。
エドワード七世の治世にあたるこの時代につくられた
エドワーディアンジュエリーには、プラチナを使用した
繊細な作品が多く見られます。
艶やかな漆黒のオニキスの中央には、大粒のオールド
ヨーロピアンカットのダイヤモンドが一石。
その周囲を取り巻くオープンワークはプラチナで、
裏側にゴールドを合わせるのも当時の特徴的な手法です。
このレースのように繊細なプラチナの透かし模様は
型等を用いたものではなく、緻密な計算に基づき
糸鋸で少しずつ時間をかけ生み出したものです。
いかに高度な技術力と正確性が求められる作業であるかは
想像に難くありません。
プラチナにはさらにミルグレインと呼ばれる極小の
細工を施し、隙間を埋めるかのごとくセットされた
六十石ものローズカットダイヤモンドの輝きを
効果的に引き出しています。
凛とした白色の煌めきを柔らかく囲んだパールの光沢も
大変エレガントです。
デザインやつくりにエドワーディアン特有の魅力を
備える一方、プラチナの白さを生かし、淡い色調の
宝石と合わせ軽やかに仕上げたジュエリーが多い
この頃において、ブラック&ホワイトの鮮やかな
コントラストには、どこか1920〜30年代に全盛期を迎える
アールデコの作風を思わせる斬新さが感じられます。
時代の流れを振り返り、移り変わりに思いを馳せる、
そんなアンティークジュエリーならではの楽しみを
存分に与えてくれる作品です。
ゴールドのチェーンをお付けいたします。
年代 1910年頃
国 イギリス
素材 ダイヤモンド オニキス パール ゴールド プラチナ
サイズ トップ約5cm×3.5cm チェーン長さ約45.5cm
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