王冠を模したピンブローチです。
イギリスの戴冠用クラウンとデザインが大変似通っており、
何らかの縁があるものと考えられます。

クラウンのサイズは約1.3cm×1.3cm、その小さな中に
ローズカットダイヤモンド二十石と、ルビー、エメラルドを
各二石ずつセットしています。

ゴールドの細やかな彫りで再現された、クロスパティーと
百合紋章のモチーフ。
ベルベットと毛皮の部分にはそれぞれレッドとホワイトの
エナメルを、特に前者には地金に模様を彫り、その上から
エナメルを施す技法を用い、僅かに透ける凹凸が生地の
厚みや滑らかな手触りをも感じさせるようです。

宝石を配した外枠にあたるパーツと、レッドエナメルの
パーツを別々に作り合わせることで、立体感もごく自然に
備わっています。

精巧なつくりと隅々まで行き届いた美意識が楽しめる
完成度の高いジュエリーです。

少々のエナメルの欠損は、作品全体のクオリティーに
影響を与えないものと考えます。

年代　　1900年代初頭頃
国　　　イギリス
素材　　ダイヤモンド ルビー エメラルド ゴールド エナメル
サイズ　約4.2cm×1.3cm

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