ヴィンテージミリアムハスケルのセットです。
同じモチーフやパーツを用いたネックレスとブレスレットが
一組になっています。
ハスケルの象徴ともいえる花と葉のデザイン。
パープルとグリーンの鮮やかな配色、カット、丸玉、変形など
さまざまなビーズの組み合わせが印象的です。
パーツを少しずつ変えてモチーフにバリエーションを生む
得意の手法もあわせると、1920年代、ブランドの立ち上げから
1950年代の成熟期を通し活躍したヘッドデザイナー、
Frank Hess の作風を思い起こさせます。
しかしながらパーツの細部や全体的な作りを見ていくと、
Hess がブランドを離れた1960年より後に制作されたものと
考えられます。
例えば本ネックレストップの大きなリーフは、透明感を強調した
比較的シンプルであっさりとした雰囲気。
仮にHess であれば、風にひるがえるような、動きのある表現を
採用していたことでしょう。
軽やかで着脱のしやすいワイヤー開閉式のブレスレットは、
しなやかに手首に沿う、糸通しのタイプであったかもしれません。
それらの変化は、量産化を目指した結果の一端であると共に、
より多くの人々がコスチュームジュエリーを日常的に
楽しむ時代に合わせた進化だととらえることができます。
華やかなステータスシンボルとしての意義を担っていた
ジュエリーは、1960年代以降、ポップカルチャーの隆盛も
相まって、大胆で遊び心のあるファッションアイテムとしての
側面がそれまで以上に求められました。
当セットはハスケルの伝統的な美学を大切に受け継ぎつつ、
時代背景とデザインの変遷をも物語る、貴重な作品だと
言えるでしょう。
少々のキズやカケは、長い年月を経たヴィンテージ品特有の
魅力だと考えます。
年代 1960年代〜1970年頃
サイズ ネックレス長さ約43cm(内アジャスター部約5cm含)
ブレスレット内周約17cm(通常時/開閉式)
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