1940年〜1950年代製、ミリアムハスケルのブローチ。
重ね並べた二輪の花の横幅は約9センチ、同アイテムとしては
かなりのボリューム感です。
各花びらにはシェルが使用されています。
あるものは立ち上がり、またあるものはゆるやかに広がり、
シェルそのものの自然な形状を巧みに生かした姿は、まるで
ふわりと風に揺れた瞬間を切り取ったかのよう。
柔らかなアイボリーカラー、シェル特有の虹色の輝きも
相まって、優雅で上品な印象です。
世界中に研究者レベルのコレクターが存在し、参考となる作品、
資料の残るハスケルジュエリーの多くは、その刻印が
製作年代を特定する大きな手掛かりとなります。
当ブローチ裏側にも見られるホースシュー(馬蹄型)サインは
ごく限られた期間に用いられていたもので、出来栄えの良い
作品が揃います。
馬蹄の刻印は製作時期を示すと共に、希少性、収集価値をも
高める証となっているのです。
ホースシューサイン期頃の作品は、とりわけシェルや
コーラル、ウッド等、自然素材の取り入れ方が秀逸で、
おそらく当時のチーフデザイナー、ハスケルの右腕と
称された FRANK HESS の存在が大いに影響を与えているのでしょう。
今作品においても、素材の見立てや合わせ方、立体感、
ストーンの配置など各所、そして全体から、ブランド成熟期に
差し掛かるこの頃ならではのオリジナリティーや
ユニークさが伝わります。
少々のキズやカケは、素材由来の魅力だと考えます。
年代 1940年〜1950年代
サイズ 約6.5cm×9.1cm
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