アンティークのチャームです。
19世紀後期から20世紀初頭、ヴィクトリアン〜
エドワーディアンにかけての作と推測します。
この頃、とりわけヴィクトリア期において、
モチーフや宝石にメッセージを託したジュエリーを
贈り身に着けることが流行しました。
「解けない愛」を象徴するノット(結び目)、
「涙」を表す真珠、宝石の頭文字を並べ作り出す
愛の言葉など、その意味や方法はさまざまです。
今作も、ふっくらとしたかわいらしいハート型を見るに、
同種の作品であることは明らかでしょう。
そして表面にセットされたグリーンブルーのターコイズ。
もしこのチャームが愛を伝えるものだとすれば、
青い一石が実は、「私を忘れないで」の花言葉を持つ
一輪の「勿忘草」だとも想像できます。
より情緒的な演出が好まれたためか、メッセージ
ジュエリーには、一つの作品に複数の意味を持たせる
ケースが多く見られます。
また通常その色合いから、勿忘草の花びらの一枚として
用いられるターコイズを、単体で花に見立てる
アイデアからも、この時代のジュエリーらしい可憐さ、
愛らしさが伝わってくるのです。
彫り模様の小さなキズはおそらく製造時からのもの。
時を重ねたアンティークならではの味わいだと考えます。
年代 1800年代後期〜1900年代初頭
国 イギリス
素材 ターコイズ 9金
サイズ 約1.5cm×1.2cm
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