アンティークのピアスです。
19世紀後期〜20世紀初頭にかけての作と推測します。
モチーフはガーベラやノースポールといった
人気の高いキク科の花でしょうか。
花びらから茎の先まで、その全てがわずか2センチにも
及ばない中で大変リアルに描かれています。
花びらは二つのパーツを別々に作り、少しずらして
重ねることで、立体感と生き生きとした印象を演出。
中央のぷつぷつとした部分の描写も丁寧です。
そしてさらに精巧なのが葉と茎のパーツです。
表面全体に模様を施し、曲線を上手く生かした造形は
まさに自然にある姿そのもの。
茎断面の角度、見せ方にまで工夫が凝らされています。
花と、それ以外のパーツを見比べると、前者が少々
感覚的に、後者がより写実的に表現されているようです。
おそらく技巧の優劣ではなく、あくまで装飾品として
全体の雰囲気をアーティスティックに仕上げた結果だと
考えられます。
愛らしいモチーフ、小ぶりで揺れるデザインといった
甘さと、秀逸な描写、アンティークならではの渋みが
絶妙なバランスで融合しています。
年代 1800年代後期〜1900年頃
国 ヨーロッパ
素材 シルバー ゴールド
サイズ 約1.8cm×1cm(モチーフ部分)
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