ヴィンテージディオールのネックレスです。
刻印から1960年の作品であることが分かります。
大ぶりなトップ部分と五連のネック部分から成る
華やかな作品を彩るのは、まずトップ中央にも
据えられている、ムーンストーンを模した乳白色のガラス。
よく見るとホワイト寄り、アイボリー寄りの二色が
使用されています。
次にクリアカラーのラインストーンとカットビーズ。
ラインストーンは表側の先端がきゅっと尖ったユニークな
形状、カットビーズはところどころにオーロラカラーも
混ざっています。
そしてクリームがかったパールビーズも所々に配し、
ぐっとエレガントな印象に。
ディオールのジュエリーといえば、緻密な計算を元に
組まれたメタルワークに、色とりどりのラインストーンを
合わせるスタイルを思い浮かべるかもしれません。
本作はトップ部分ではメタルの枠で巧みに立体感を
生み出しつつ、ネック部分はあえてビーズパーツを
連ねるだけのデザインとし、シンプルさや軽やかさを
演出しているようにも見受けられます。
1950年代後半のブランド創業主の逝去を受け、
それまでのエレガントでクラシカルなブランドイメージを
保ちつつも、新たな時代と流行に向き合う、
トップメゾンならではの挑戦の姿勢が垣間見えるようです。
"Christian Dior 1960" の刻印。
一部パールコーティングの剥げ、メタルの変色は
作品の完成度に影響を与えない程度と考えます。
年代 1960年
サイズ 長さ約47cm(内アジャスター部6cm含む)
トップ部分 約8.5cm×4cm(フリンジ先端まで)
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