ヴィクトリアンのブローチです。
ホールマークから1889年、イギリス・バーミンガムで
ゴールドの品位検査を受けていることが分かります。
形状の異なるゴールドを、少しずつ高さを変え重ねた
三層構造。
一番下の層は花や二重円を意匠化し全面に散りばめた、
華やかなデザインです。
外周には波型の突起や粒状の金がぐるりと等間隔に
配されています。
二層目は、それ自体が八枚の花弁を持つお花のよう。
表面に極細かい艶消しの加工と三角形の異国風模様が
施された個性的な雰囲気です。
最上部は滑らかな円形の中央に、一石のダイヤモンドを
セット。
強く輝く少々ラフなローズカットは、同じく僅かな
歪みがかえって自然で魅力的な星形の枠ととてもよく
合っています。
作風は当時流行していたエトラスカンリバイバル、
ヒストリズムなどと呼ばれる古代の装飾品に着想を得た
ものと考えられます。
厚みを抑えたゴールドを使用しコンパクトにまとめた、
大変軽やかな仕上がりです。
年代 1889年
国 イギリス・バーミンガム(ホールマーク有り)
素材 ダイヤモンド 9金
サイズ 直径約2.8cm
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