ガーネットのペンダントヘッドです。
十九世紀後期頃製と推測されます。
表面がつるんとしたカボションカットのガーネット三石を
葉に見立て、クローバーを表現。
キリスト教における重要な教義「三位一体」の象徴として、
あるいはその愛らしい印象もあってでしょうか、
クローバーは現代同様、アンティークジュエリーでも好んで
用いられたモチーフの一つです。
こちらの作品の一番の特徴は、ガーネットそのものを生かした
素朴さにあると考えます。
三つの石はラウンド、オーバルと形も、縦横の大きさも、
横から見た時のドームの高さもそれぞれが異なります。
枠には三石に統一感を与える工夫は特になされていません。
不揃いのまま、少し歪な形状で、石の個性そのままに留め、
クローバーを象っています。
爪を省いた枠留め、小さな粒金のみのシンプルな装飾、また
ガーネットと相性の良いローズゴールドとの組み合わせも、
石の魅力を大いに引き出し、かつ前面に押し出しています。
形状はあえて不均衡に、しかし石の色合いはとてもよく似た
ものを揃えているところも、注目のポイントです。
アルマンディンガーネット特有の濃い赤色は、よくワイン
にも例えられますが、さらにとろりとして濃度が高く、
黒く点々とした内包物もありまるで甘い果実のジャムのよう。
角度や環境により暗く深く、時には明るい透明感を帯び、
大変自然な表情で私たちの目を楽しませてくれます。
時代の異なるパーツとチェーンを合わせ、ネックレスに仕立てた
状態でお渡しいたします。
年代 1800年代後期頃
国 ヨーロッパ
素材 ガーネット ゴールド
サイズ 約2cm×1.8cm(オリジナルのヘッド部分)
当店ブログにて他の画像もご覧ください。