ダイヤモンドとルビーのネックレスです。
特徴的なデザインから20世紀初頭、おそらく1920年代から1930年代
辺りの作品と推測します。
メインとなるのは、花やレースを思わせる幾何学模様のモチーフ。
そこに少しずつ間隔を明け、十一石のダイヤモンドをセットしています。
もっと多く、モチーフの全面にダイヤモンドがあしらわれている
ようにも見えるのには、いくつかの理由があるのです。
まず、輝きの強いローズカットダイヤモンドを使用していること。
カットやサイズも一様でないため、その印象はさらに際立ちます。
モチーフの上面、石周りに白色のメタルを使用しているのも、
ダイヤモンドのクリアな輝きを増幅して見せる効果を考えての
ことでしょう。
丸く突出した爪留め、地金の縁に施された極小のギザギザ模様の
凹凸もまた、光の加減によりモチーフ全体に輝きを与える
大きな役割を担っています。
モチーフの頂点に飾られているのは、濃いピンクのルビーです。
この時代のジュエリーにはシンセティック(合成)ルビーも多く
見られる中、鑑別により天然のルビーであることが分かっています。
華やかな紅一点のアクセントを経て連なるスクエア型のパーツには、
こちらもローズカットダイヤモンドが計八石。
横から見ると、イエローゴールドの台座に丁寧に透かしが
設けられています。
アールデコの香りが漂う、軽やかで洒落たデザインです。
チェーン部分は、後の時代にイタリア製ヴィンテージチェーンに
付け替えられていると考えます。
一般的なチェーンに比べ一つ一つの輪が幅広でしっかりしており、
モダンな雰囲気のトップ部分とのバランスも良好です。
年代 1920年〜30年代頃
国 ヨーロッパ
素材 ダイヤモンド ルビー ゴールド(チェーンに14金を示す刻印)
サイズ 長さ約40cm
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