19世紀後期頃製のブローチです。
オーストリア=ハンガリー二重帝国時代の作品と推測されます。
地理的、政治的にヨーロッパ各国の影響を多大に受けつつも
独自の発展を遂げたオーストリア=ハンガリー。
"オーストリアンハンガリアン" と呼ばれるこの頃のジュエリーは、
ひと目でそうではないかと予想ができるほど非常に特徴的です。
カラフルな宝石やガラス、エナメル等を用いた、ルネサンス期の
装身具を彷彿とさせるものが多く見られます。
こちらのブローチはルネサンスリバイバル風でありながら、
ヴィクトリアンジュエリーの王道ともいえる優雅でロマンティックな
テイストも持ち合わせています。
シルバーにゴールドをコーティングした、同種のジュエリーには
一般的な地金で左右対称のモチーフを形作り、中央にピンク
トルマリンをセット。
高さのあるつるんとしたカボションカット、少し紫がかった色味です。
内包物により白くうっすらと霞がかかったような、味わいのある
表情を見せています。
メインストーンの周りをホワイト系のパールでぐるりと囲み、
ルビーの濃く鮮やかなピンク、エメラルドの明るいグリーンで全体を
華やかに演出。
先端で揺れる小さなパールもチャーミングです。
豪華で色彩豊か、かつ重厚感もあるオーストリアンハンガリアン
特有の雰囲気の中に、どこか軽やかで洗練された印象も漂う
バランスの良い仕上がりです。
上部のパーツにチェーンを通し、ネックレスとしてもお使いいただけます。
年代 1800年代後期
国 オーストリア(推定)
素材 ピンクトルマリン ルビー エメラルド パール シルバー
サイズ 約4.7cm×3.5cm
当店ブログにて他の画像もご覧ください。