六連パールのブレスレットです。
1920年代頃製と推測されます。
使用しているパールの直径は約2ミリ、総数は200を超えます。
そしてこれだけの数がありながら、色や大きさ、形まで非常に高い
レベルで似通ったものが揃えられているのです。
素材を集めるだけでも大変な労力であっただろうことがうかがえます。
ごく稀に覗く少々いびつな珠もまた微笑ましく、一つ一つを指で、
目で追う楽しみは、パールならではの贅沢といえるかもしれません。
各パールはそれぞれがプラチナで繋がれています。
パールに細いパーツを通し、輪に繋げ、それを何度も繰り返して
一筋のラインを作り上げているのです。
当時流行していた軽やかで洗練された雰囲気を演出すると共に、
パールの柔、プラチナの硬、と同じ白色でも異なる質感を合わせる
ことで、光沢や印象の変化を引き出す意図もあったのでしょう。
加えて間に輪状の金属パーツを挟むことで動きがなめらかになり、
ジュエリー自体の強度も増します。
視覚、機能両面においてとてもよく考えられた素晴らしい作品で
あることは、スムーズに動きしっかりと留まる、十四石のきらめく
ローズカットダイヤモンドをあしらったクラスプからも明らかです。
手首に乗せると、つぶつぶとしたパールのなんとも愛らしい感触と、
六本の連なりが生む、まるでシルクやレースのようなしっとりとした
滑らかさが伝わり、思わず胸が高鳴ります。
"Fine Jewels
Richard Ogder Ltd.
Burlington Arcade
W.1."
と記載のあるケース付き。
1893年創業のイギリスのジュエラーのもので、おそらくオリジナルだと
考えます。
年代 1920年頃
国 イギリス
素材 パール ダイヤモンド プラチナ ゴールド
サイズ 長さ約20cm
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