19世紀後期頃製、ホワイトカルセドニーのブローチです。

上部にあしらわれているお花は勿忘草でしょうか。
半分にカットしたハーフパールと、僅かに色合いの異なる
二石のターコイズで、五枚の花びらを表現しています。

ブローチの裏側を見ると、土台となる石に二つの穴を開け、
差し込んだ金属の支柱で表面のモチーフを支えるという
しっかりとしたつくりであることが分かります。

強度や安定性を確保しつつ、カルセドニーとモチーフに
高さの差が生まれるため、柔らかな乳白色を背景にした
花と葉の姿が、よりくっきりと際立って見えるのです。

おそらく19世紀前期、ジョージアンのジュエリーを
模したと思われる、繊細かつ伸びやかに描かれた
植物のモチーフ同様、カルセドニー自体にも、縁を波型に
カットし、裏側も丁寧に削ぐようなカーブをつけるという、
大変丁寧な細工がなされています。

外側を縁どるゴールドの枠もまた、ロマンティックな
題材と色に相応しい、柔らかな印象です。

年代　　1800年代後期
国　　　イギリス
素材　　カルセドニー ハーフパール ターコイズ ゴールド
サイズ　約3.6cm×3cm

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